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生成AI時代に求められる「論理的な創造力」とは?

投稿日:2026年5月13日

2020年に小学校でプログラミング教育が必修化されてから、もう5年近くが経とうとしています。
あの頃の熱気を覚えていらっしゃいますか?

「これからはプログラミングの時代だ!」という空気の中で、全国に新しい教室が次々と生まれていったあの勢いは今も記憶に残っています。

ところで最近、現場でこんなことを感じていませんか?

  • 体験レッスンに来る保護者の質問が、以前よりシビアになった。
  • 「うちの子に本当に合うのか」を、もっと具体的に確かめようとしている。

そうなんです。市場の空気は、明らかに変わってきています。

「とりあえず」から「しっかり選ぶ」時代へ

まず、この数年で起きた制度面の変化を整理してみましょう。

  • 2020年:小学校プログラミング教育必修化
  • 2022年:高等学校「情報I」必修化
  • 2025年:大学入学共通テストで「情報」の科目導入

この流れによって、小学校から大学入試まで、IT教育が一本の線でつながりました。

この流れの中で、保護者の見方が根本的に変わっています。
「将来役立ちそうだから」という漠然とした動機から、「進学にも関わるなら、ちゃんとした教室を選ばないと」という意識へ。といった感じですね。

船井総合研究所とコエテコ byGMOの合同調査によると、子ども向けプログラミング教室市場は継続的に成長しています。
しかし同時に、教室数の増加により競争も激化。

「プログラミングを教えています」だけでは、なかなか選ばれにくくなってきました。

子ども向けプログラミング教育市場は2024年に 2019年の2.3倍、250億円超に拡大すると予測 ~ プログラミング教育メディア「コエテコ」×船井総研 「2019年 子ども向けプログラミング教育市場 より

これからは、「この教室で何が身につくのか」「なぜここを選ぶべきなのか」を、より説得力を持って伝える必要があります。

独自調査が明かした事実

では、保護者は実際に何を求めているのでしょうか。

私たちBee Creativeでは2024年7月、小学生の子どもを持つ保護者を対象とした独自調査を実施しました(インターネット調査、有効回答数369件)。

さらにここから、「お子様の創造力を育成する教育に対する関心度」と「現在受けている習い事の数」をクロス分析したところ、とある相関関係が浮かび上がりました。

「非常に関心がある」と答えた保護者の割合を、習い事の数別に見ると

  • 習い事なし:7.1%
  • 習い事1個:16.1%
  • 習い事2個:29.1%
  • 習い事3個:39.7%

習い事を3個している家庭では、約4割が創造力教育に「非常に関心がある」と回答。
これは習い事をしていない家庭の5.6倍の数値です。

つまり、教育に積極的で、すでに塾やスポーツ、音楽など複数の習い事をさせている家庭ほど、「技術習得」を超えた「創造力の育成」に高い価値を感じている。ということ。

となってくると、プログラミング教室のターゲットは「最初の習い事を探している家庭」だけではなく、「基礎的な習い事は一通り経験しているが、これからの時代に必要な『考える力』や『創る力』を求めている教育熱心な家庭」も含まれてくるという事が分かるのではないでしょうか。

映像制作の現場で実感した「創造力の正体」

「創造力」という言葉は教育現場でよく使われますが、その正体は何でしょうか。

私はもともと、テレビCMや、ミュージックビデオなどの映像制作をしていました。
このようなクリエイティブ系の仕事というと、感性やひらめきで成り立っていると思われがちです。

でも実際の現場は、想像以上に「論理的」で「数学的」な世界でした。

編集ソフト内のタイムライン(編集作業をする場所)に素材を並べる作業では
「どの順番で情報を出すか」
「どこで感情を高めて、どこで落ち着かせるか」
「視聴者が混乱しないよう、何をどこまで残すか」
このようなことを考えながら作業を行っていました。

これらは、頭の中でフローチャートを組み立てながら進める作業です。
こう聞くと、プログラミング的思考と通じる部分があることに気づく方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そう、まさに映像編集の作業では、プログラミングの条件分岐と処理順序を設計することと同じ感覚を持ちながら作業することがあるのです。

実はあまり知られていませんが、映像編集では数字の扱いも避けて通れません。

  • 解像度やフレームレート、ビットレートの計算。
  • アニメーションの動きを作るための座標指定。
  • 色調補正で扱う色彩データの数値的理解。
  • 書き出されるデータ容量の計算

こういった基礎計算から、キーフレームアニメーションの関数計算まで、数学的なセンスがクリエイティブの質を直接左右することも多いのです。

学生時代、私はとても数学が苦手で、避けてきた人生でした。
数学を避けたいからこそ、映像の道を選んだといっても過言ではありません。
(結果として数学からは逃げられなかったのですが…)

結果として、映像制作を通じて私が痛感したのは、「真の創造力は、論理的思考力と数学的センスという強固な土台の上にしか成り立たない」という事実です。

感性だけでは、アイデアは頭の中に留まったまま。

それを形にするには、「論理」と「数学」という道具が必要なのです。

生成AI時代だからこそ価値が上がる力

ChatGPTなどの生成AIが普及し、「コードを書く技術」の相対的価値は変化しています。
でも、これはプログラミング教育の価値を下げるものではないと思います。

AIに指示を出して思い通りの結果を得るには、「何を作りたいのか」「どんな体験を創造したいのか」を明確に言語化し、論理的に整理する力が不可欠です。

  • 問題を整理し、課題を明確化する力
  • 解決したい内容を人にもAIにも伝えられる論理的な表現力
  • アイデアを実現可能な仕様に落とし込む設計力

これらの能力こそが、生成AI時代の真の差別化要因となります。

この話をしていると、私が小学1年生の時、当時住んでいたイギリスの学校で出会った算数の問題を思い出します。

『  +  =7』
空欄を埋めて、問題を完成させなさい。

この問題の正解は「2+5=7」でも「3+4=7」でも良く、算数の問題でありながら答えは一つではありませんでした。
条件の中で選択肢を考え、自分なりの答えを選ぶ。

その積み重ねが創造力を育てるのだとすれば、工夫次第で教育の幅はいくらでも広げられるのだと思います。

Bee Creativeと共に創る次世代IT教育

政策主導の「必修化バブル」が落ち着いた今こそ、各教室の独自性が真価を発揮する時です。

Bee Creativeでは、論理的思考力と数学的センスを土台とした創造力を育むIT教育の実現に向けて、新しい教育サービスを提供しています。

子どもたちの「できた!」という瞬間を増やしていくために、共に歩んでいければ幸いです。
簡単な情報交換からでも構いませんので、お気軽にご連絡いただければ幸いです。


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この記事を書いた人

松永昴
松永昴Bee Creative事業責任者
ICT教育および教育コンテンツの企画制作に長年携わり、ITを使いこなす力の育成を軸に教材開発を行う。
現役のJAPAN MENSA会員でもあり、学生時代は米国カリフォルニア州の大学へ留学し映画学を専攻。第1回妙善寺映画祭審査員特別賞受賞。教育だけでなく本格的な映像制作・表現活動に取り組むクリエイターの側面も合わせ持つ。
現在は教育分野での知見とクリエイティブ領域での経験を掛け合わせ、創造力の育成をテーマにした学びに資する教材開発と普及に力を注いでいる。
ポートフォリオサイト(https://fori.io/subarumatsunaga)
note:Bee Creativeの中の人(https://note.com/beecreative)

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