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非認知能力は本当に「測れない力」なの?――Bee Creativeが大切にしている成長の捉え方

投稿日:2025年12月17日

「非認知能力」という言葉は、ここ数年で教育の現場でもよく聞かれるようになりました。
Bee Creative(ビークリエイティブ)のコラムでも何度か触れている言葉ですね。
非認知能力は、テストの点数や数値には表れにくい力ですが、子どもたちが自分らしく学び続けていくための大切な土台として注目されています。

一方で、「非認知能力は測れない」という表現がそのまま伝わってしまい、誤解が生まれることもあります。

非認知能力は本当に「測れない力」なの?

確かに、非認知能力は国語や算数のようにテストの点数で評価することは難しいと言われています。
しかし、研究の世界では、非認知能力が行動や態度として観察・整理され、尺度化されている例もあります。

教育学・心理学の分野では、非認知能力を「社会性・情動的能力(Social and Emotional Skills)」として捉え、観察可能な指標を用いて研究が行われています。
特にこの社会的情動を数値評価するような取り組みは、いくつか確認されています。

参考文献:小学生版「社会性と情動」尺度の開発

このように、「数値で単純に評価するのは難しい」という意味で「測りにくい」と言われる一方、行動や過程を捉えるための仕組み自体は存在しているという理解がより正確です。

Bee Creativeでは「成長の痕跡」を大切にしています

念のため申し上げますが、ここで大切なのは、「数字で測ること」自体が非認知能力の育成の目的ではない、という点です。

非認知能力は、次のような行動や変化を通して育まれていきます。

  • 以前はできなかったことに挑戦するようになった
  • 失敗しても工夫しながら取り組む姿勢が出てきた
  • 自分の考えを言葉や形で表現しようとするようになった
  • 他者との関わりの中で工夫や調整ができるようになった

Bee Creativeでは、このような行動や表現の変化を大切な指標として、子どもたちの成長を丁寧に見守っています。

例えば同じテーマで作品制作をするとしても、1年前に初めて作った自分の作品と、1年間学習に取り組んできた今の自分の作品には同じテーマであっても明らかな変化が生じているはずです。
この変化こそが成長です。これこそが私たちが教材の中で伝えたい力なのです。

また、プレゼンテーションコースなどでは発表をする際に使う評価シートを用意しています。
(下記の画像を参照)
このような評価シートを利用することで、発表の質を客観的な指標で理解することができるような工夫もされています。

プレゼンテーションコース評価シート(※一部抜粋版)

非認知能力は測りにくい力と言われますが、決して全く測ることができない力ではありません。
評価のための指標に関する研究は常にされており、教育の現場でも活用されるようになっています。

数値ではなく、「プロセス」を見る

非認知能力は考えて、作って、伝えて、振り返る。こうした一連のプロセスを重ねる中で、少しずつ育てていくものです。

Bee Creativeでは、非認知能力そのものをゴールにするのではなく、学び続けていける土台として育てることを重視しています。

Bee Creativeが育てたい「見えない力」

Bee Creativeでは、非認知能力をより具体的にイメージできるよう、以下のような力としてピックアップして整理しています。

  • 創造する力
  • 探究する力
  • 伝える力
  • つながる力
  • 未来を描く力
  • 挑戦する力

これらの力は、それぞれが独立して育つわけではなく、実際の学びの中で互いに関わり合いながら育っていきます。

たとえばプレゼンテーションコースの教材のスライドを作る活動では、単に形を整えるだけでなく、「どの順番で伝えたらよいか」「聞き手は何を知りたいか」を考えながら表現する姿勢が自然に育まれていきます。

これからの学びと非認知能力

AIの進化や社会の変化により、正解がひとつではない課題に向き合う機会が増えています。
こうした時代に求められるのは、テストの点数だけではない「自分で考え、行動し、他者とともに働く力」です。

非認知能力は、テストのような数値で表すことが難しい力ですが、日常の学びの中に現れる行動や表現の変化として確かに存在します。

Bee Creativeは、ITを通じてそのような“目には見えにくい力”を育てるきっかけとして、子どもたちがワクワクしながら学べる教材をお届けしていきます。

これからも、数値に表れにくいけれどたしかにある成長に、丁寧に寄り添っていきたいと考えています。

この記事を書いた人

松永昴
松永昴Bee Creative事業責任者
ICT教育および教育コンテンツの企画制作に長年携わり、ITを使いこなす力の育成を軸に教材開発を行う。
現役のJAPAN MENSA会員でもあり、学生時代は米国カリフォルニア州の大学へ留学し映画学を専攻。第1回妙善寺映画祭審査員特別賞受賞。教育だけでなく本格的な映像制作・表現活動に取り組むクリエイターの側面も合わせ持つ。
現在は教育分野での知見とクリエイティブ領域での経験を掛け合わせ、創造力の育成をテーマにした学びに資する教材開発と普及に力を注いでいる。

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