非認知能力が高い子どもに見られる6つの特徴|いま育てたい子どもの特徴を解説
投稿日:2025年12月8日

本記事は、非認知能力シリーズの第3回です。 第2回では、「非認知能力ってどうやって育つの?」という視点から私たち大人が子どもたちにできることについて解説しました。 まだお読みでない方は、こちらからご覧いただけます。
▶️第2回:非認知能力ってどうやって育てるの?周りの大人ができる「環境と関わり方」について
ここ数年、子どもの教育において非認知能力という言葉がよく取り上げられるようになりました。
テストの点数や偏差値のように数値で測れる力とは別に、意欲・感情・協調性・粘り強さといった「見えにくいけれど生きるうえで大切な力」があると言われています。
文部科学省の資料では、非認知能力は意欲や意志・情動・社会性に関わる力として整理されており、 「目標に向かって粘り強く取り組む」「状況に応じてやり方を調整する」「友達と協力して取り組む」といった要素が重視されています。
参考リンク: 文部科学省 中央教育審議会 幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会 資料 / 学習指導要領の「三つの柱」と非認知能力の関係性
また、OECDとベネッセ教育総合研究所が共同で行った調査では、社会情動的スキル(非認知的スキル)が、学力だけでなく将来の幸福感や人間関係にも関わることが報告されています。
参考リンク: ベネッセ教育総合研究所「幼児期に育む社会情動的スキルは、生涯にわたって生きる力に」
Bee Creative では、これらの研究や行政の方針を踏まえながら、非認知能力についてのコラムも公開してきました。
以下に関連の記事もありますのでよろしければご覧ください。
非認知能力が高い子どもに共通する6つの特徴
それでは前置きはここまでにして、ここからは文部科学省や教育研究機関の資料をもとに、非認知能力が高い子どもに共通して見られやすい特徴を整理していきたいと思います。
今回は次の6つのポイントに着目してみました。
1. 目標に向かって粘り強く取り組む
非認知能力の代表的な要素として、まず粘り強さ(やり抜く力)が挙げられます。
難しい問題に対してもあきらめない力を持っているということですね。
文部科学省の検討資料の中でも、非認知能力の中核の一つとして「自分の目標を目指して粘り強く取り組む力」が示されています。
- 少し難しい課題でもすぐに諦めず、試行錯誤を続ける。
- 途中で失敗しても「もう一回やってみる」と言える。
- 時間がかかっても最後までやりとげようとする。
これらの要素を持っている子は非認知能力が高いと考えられているというわけですね。
参考リンク: 文部科学省「認知能力・非認知能力」整理資料 / 国立教育政策研究所「非認知的(社会情緒的)能力の発達と科学的検討手法について」
2. 状況に応じてやり方を変えたり工夫したりできる
非認知能力の定義の中には、やり方を調整し工夫する力も含まれています。
これは、単に粘り強く続けるだけではなく、状況を見ながら方法を柔軟に変えられる力です。
1つ目のポイントではあきらめず取り組むということについて話しましたが、こちらはそれに加えて失敗した時に改善する力があるということですね。
- 同じやり方でうまくいかないとき、別の方法を自分で考えてみる。
- 時間配分や順番を変えて取り組もうとする。
- 必要に応じて大人や友達に相談することができる。
このような姿は、「問題解決力」や「自己調整力」にも関連する力として考えられており、国立教育政策研究所などの報告書でも整理されています。
参考リンク: 国立教育政策研究所「社会情緒的(非認知)能力の発達と環境に関する研究」
3. 友達と協力して取り組むことができる
文部科学省の資料では、非認知能力の要素のひとつとして友達と同じ目標に向けて協力し合う力が挙げられています。
この力は、いわゆる協調性や社会性といった領域に該当します。
- グループ活動で自分の役割を意識して動く。
- 友達の意見を最後まで聞き、否定から入らない。
- 困っている友達に自然に声をかけることができる。
これらは大きく分けて協調と協働の2つの要素がポイントになります。
協調というのは、周りの人と調和するために意見を合わせることができること。
協働は、周りの人に協力する姿勢を持つことで、グループや組織の中で仲間に協力する動きができる。といったイメージですね。
最近の教育の現場で「協働的な学び」というキーワードが重要視されているのも、学校や教室という組織の中で他者と協力することから学ぶ。というのが重視されているからなんですね。
このような協力して物事に取り組む力というのも、非認知能力の要素としてよく挙げられるものとなります。
4. 自分の感情や行動をコントロールできる
自己コントロール(セルフコントロール)も非認知能力の高いとされる子によくみられる特徴になります。
これは、感情に振り回されず、自分の行動を調整する力です。自己管理能力とも言いますね。
- 怒ったときや悔しいときに、一度落ち着こうとする姿勢が見られる。
- ゲームや動画などをしていても「今はここまでにしよう」と区切ることができる。
- 宿題ややるべきことを先に済ませようとする。
自分のしたいこととやらなくてはならないことを理解し、自己を律することができる力ですね。
5. 自分への基本的な信頼感や自己肯定感がある
自己肯定感が高い傾向も一つの指標となります。
ポジティブな姿勢や自信を持って物事に取り組むことができるということですね。
- 自分のことを前向きに捉えやすい。
- 失敗しても切り替えられる。
- 自分の良いところを挙げられる。
自信を持つことはあらゆる行動の土台となります。
例えば小さな成功体験を積めたり、楽しく取り組むことができる習い事などがあると、自信を持つことに繋げられて良いかもしれませんね。
6. 好奇心が強く、自分から学びに向かう
好奇心の強さも非認知能力の特徴のひとつです。
好奇心の強さの中には、主体性や創造性などの要素も含まれています。
- 好きなテーマについて自分で調べる。
- 体験型の学習に積極的に参加する。
- 新しいことにも前向きに挑戦する。
好奇心を育てるためには子供の「やりたい!」という気持ちを否定せず、受け入れる姿勢が重要になりますね。
まとめ 学びを支える「見えない土台」としての非認知能力
非認知能力が高い子どもには、次のような共通点が見られます。
- 目標に向かって粘り強く取り組める。
- 状況に合わせてやり方を変え、工夫できる。
- 友達と協力しながら学びを進められる。
- 自分の感情や行動を調整できる。
- 自己肯定感がある。
- 好奇心を持って学びに向かう。
これらはすべて、テストでは直接測りにくいものですが、子どもの学力や将来の社会的な適応に深く関わることが明らかになりつつあります。
まだまだ具体的にどう非認知能力が高くなったかを計測する方法というのは、研究が必要な分野でもありますが、AIの台頭などによりこうした力の重要性は年々高まってきています。
すでに大学入試や就活の現場ではこれらの非認知能力に関わる領域を面接の場などでの判断指標にする動きも活発になっています。
こうした非認知能力は、必要になってからいきなり対策しようとしてもなかなか難しいものです。
幼少期に非認知能力が高い子どもは、その後大人になっても高い非認知能力を示す実験結果も報告されています。
もしかしたらお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、実は先ほど挙げた6つの能力はどれかひとつが伸びてくると連動して他の力にも成長が見られるものとなっています。
例えばやり抜く力が高まってくると、物事を達成する可能性が高くなります。そうすると連動して自己肯定感も高くなってくるということですね。
このように非認知能力はどれか一つを伸ばそうとするというよりも、連動して伸ばしあっていくといったイメージを持つと、どのような経験を子どもにさせた方が良いかというイメージもしやすくなってきますね。
これからの社会で必須の非認知能力、みなさまはどのようにお考えになったでしょうか?
第1回目の記事はこちらからご覧いただけます。
この記事を書いた人

- Bee Creative事業責任者
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ICT教育および教育コンテンツの企画制作に長年携わり、ITを使いこなす力の育成を軸に教材開発を行う。
現役のJAPAN MENSA会員でもあり、学生時代は米国カリフォルニア州の大学へ留学し映画学を専攻。第1回妙善寺映画祭審査員特別賞受賞。教育だけでなく本格的な映像制作・表現活動に取り組むクリエイターの側面も合わせ持つ。
現在は教育分野での知見とクリエイティブ領域での経験を掛け合わせ、創造力の育成をテーマにした学びに資する教材開発と普及に力を注いでいる。

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