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非認知能力とは?今知りたい、子どもの成長を支える“見えない土台”AI時代の学びで重要視される生きる力とは

投稿日:2025年11月26日

子どもの教育を考えるとき、「非認知能力」という言葉を耳にする機会が増えてきました。
けれど、まだまだ一般的には分かりにくく、少し難しそうに感じられるかもしれません。

この記事では、初めてこの言葉に触れる人にもイメージが持てるよう、 非認知能力の基本をやさしく整理してお伝えします。

非認知能力とは「数値では測りにくい、人としての力」

非認知能力と聞くと、つい難しいイメージを持ってしまう方も多いかと思います。

非認知能力とは、テストの点数のような数値では測りにくい力の総称です。
例えば、物事に粘り強く取り組む姿勢、考える力、周りの人と協力して課題に取り組む姿勢やコミュニケーション力などたくさんあります。
こういった力はテストの点数のような形で測るのは難しいものの、人生の土台となる大切な力であり、私たちはみな心の中で「これって大事だよね」と感じている力でもあります。

実は非認知能力とは、私たちが日常生活の中で既に「これって大事だよね」と感じている力のことなのです。
特別なスキルや能力というわけではない。ということですね。

社会で生きていくのにコミュニケーション力って大事だよね。
諦めずに物事に取り組むのって大事だよね。
失敗しても立ち直れるのって大事だよね。

この記事をご覧の方の中にも、これらの言葉には思い当たるところがあるのではないでしょうか。


「非認知能力を伸ばす」という言葉がイメージしにくい方は「非認知能力の中の○○という力を伸ばす」という風に言い換えてみると分かりやすくなります。

非認知能力というのは、それ自体を伸ばすことが必要なんだ。とイメージしている方も多いのですが、実はこれがイメージしにくくしてしまっている原因でもあります。
非認知能力という枠の中には、「コミュニケーション力」や「やり抜く力」、「立ち直る力」など、たくさんの要素が含まれているからですね。

これを『非認知能力』だけに目を向けて、ひとくくりにしてしまっていることが多いため、混乱してしまう方が多いというわけなのです。

例えば勉強に置き換えてみると、ただ「学力を伸ばす」だけだと何の力が育つのか分かりづらいですよね。
しかしこれに「英語力を伸ばす」とか「計算力を伸ばす」という言葉がついていれば、どんなことを学習できるのかイメージしやすくなるのではないでしょうか。

もし今度、非認知能力を伸ばすという教育サービスを見つけた時、多くの場合はそれに続けて具体的に、どういった力にフォーカスしているかまで書いていますので、よければ確認してみてください。
非認知能力の中の、どんな力にフォーカスしているのかまで見てあげると、そのサービスが何を強みにしているのか分かりやすくなってきますよ。

※非認知能力に含まれる特性同士は相互に関わり合うことがあり、環境や経験によって複数の能力が同時に育まれる場合もあります。そのため、特定の能力に焦点を当てつつ、他の関連特性が育つ可能性にも目を向けておくことが重要です。


非認知能力の対になる言葉として「認知能力」があります。
こちらは、いわゆる国語や算数のテストで測られるような 知識や計算力といったものですね。

数値で能力を計る事ができるもの。というイメージでも問題ありません。

非認知能力と認知能力。両者ともバランスよく育てていく事がこれからの社会では求められています。

認知能力が「何をどれくらい知っているか」を示す力だとすれば、非認知能力は 「その知識をどう生かして行動するか」を示す力だと考えるとイメージしやすくなります。

なぜ今、非認知能力が注目されているのか

ここ最近、非認知能力が注目されている一番の理由は、社会の変化です。

AIの進化、仕事の多様化、価値観の多様化が進む中で、 子どもたちは「決まった正解にたどり着く力」だけでなく、 「正解がひとつに定まらない課題」にも向き合っていくことになります。
今までは決まった正解を導く力が重視されていましたが、AI技術の登場によりそうしたものはAIの方が優れた結果を出すようになってきています。

そうしたときに必要になるのが、次のような力です。

  • 新しいことに挑戦してみるチャレンジ精神
  • 失敗してもあきらめずに、やり方を工夫していく粘り強さ
  • 自分で考え、自分なりの答えを選び取る意思
  • 周りの人とコミュニケーションを取りながら協力する力
  • 「やってみたい」「つくってみたい」という好奇心や意欲

これらはどれもテストの点数としては表れにくい力ですが、 大人になってからの学びや仕事、暮らしの満足度に大きく関わると考えられています。 実際、海外を含めてさまざまな場でこの効果についての研究も進んでいるんですよ。

そのため、世界的にも「学力」と同じくらい大切な土台として非認知能力が注目されるようになってきているというわけです。

研究と教育現場の両方から注目される非認知能力

非認知能力は、教育学だけでなく、心理学や経済学などの分野でも研究が進められています。 特に海外の研究では、粘り強さや自己コントロール力、協調性といった非認知能力が、 将来の学習成果や就業状況、生活の安定にも関係していることが報告されています。

下記の図は日本での研究結果になります。クラスの中で成績が「上のほう」から「下のほう」まで児童を区分分けした後、各グループの子どもたちが持っている非認知能力について調べた研究結果になります。
これによると成績が「上のほう」になるほど非認知能力スキルを保有していることが多いことが分かりますね。
これらの研究はまだ取り組んでいる最中という部分も多いので、これだけですべてのケースが必ずそうだという所までの結論には至っていないのですが、ひとつの参考にはなるのはないでしょうか。

文部科学省「学力調査を活用した専門的な課題分析に関する調査研究(全国学力・学習調査の結果を活用した専門的な分析)」質問紙調査に関する調査研究報告書より

日本でも、文部科学省が新しい学習指導要領の中で 「主体的・対話的で深い学び」というキーワードを掲げるなど、 知識を身につけるだけでなく、学びをどのように生かすかという観点が重視されるようになりました。 これも、非認知能力の重要性が教育政策のレベルでも意識され始めている表れといえます。

非認知能力については、社会に出てからも影響があるという結果もあります。
東京大学の研究では、非認知能力を持っているかどうかが所得に影響しているかを調べた研究もあります。
それによると、非認知能力と所得には相関関係があることが分かっています。

【参考】
東京大学社会科学研究所 パネル調査プロジェクト ディスカッションペーパーシリーズ パネル調査から見る非認知的スキル、仕事の負担、 結婚に影響する意識、資産の不平等: 「働き方とライフスタイルの変化に関する 全国調査(JLPS)2015」の結果から より抜粋
https://www.crs.or.jp/backno/No707/7071.htm

非認知能力はどうやって育つのか

非認知能力は、机の上の勉強だけで身につくものではありません。

ポイントは「体験」「成功経験」です。
実は多くの非認知能力とされる力が、このような要素を共通項にしています。
子ども自身が手を動かし、考え、試し、時には失敗しながらも、 もう一度チャレンジする。といった流れの中で育むということですね。

例えば、次のような経験が非認知能力の発達を後押しすると言われています。

  • 自分でテーマを決めて、作品や発表をつくり上げる経験
  • うまくいかなかったときに、工夫してやり方を変えてみる経験
  • 友達や家族に自分の考えを伝え、フィードバックを受ける経験
  • 「できなかったこと」が「できた」に変わる達成感

このような活動の中で、挑戦する勇気や粘り強さ、 人と関わる力、自分を振り返る力などが少しずつ育まれていきます。

Bee Creativeが大切にしている6つの力

子ども向け教育サービスである、Bee Creative(ビークリエイティブ)では、非認知能力をより具体的にイメージできるよう、 次の6つの力として定義し、整理しています。
非認知能力の中の6つの要素を育てることを重視している。と言い換えても良いですね。

  • 創造する力
  • 探究する力
  • 伝える力
  • つながる力
  • 未来を描く力
  • 挑戦する力
Bee Creativeサービス資料より

これらの力は、どれか一つだけを伸ばすというものではなく、 互いに関わり合いながら育っていきます。
Bee Creativeの各コースでは、プレゼンテーション、動画編集、文章創作などの活動を通して、 子どもたちが自分のアイデアを形にし、誰かに伝える体験を重ねられるよう設計しています。

例えば、プレゼンテーションコースでは、スライドを作るだけでなく、 「どんな順番で伝えたら分かりやすいかな」「聞き手はどんな情報を知りたいかな」と考えながら、 自分の考えを整理していきます。
こうした過程で、伝える力やつながる力、挑戦する力などが自然と磨かれていきますよ。

目には見えないけれど、将来の大きな土台になる力

非認知能力とは、テストの点数には表れにくい、子どもの「心の中の力」です。
しかし、これからの時代を生きていくうえで、その重要性はますます高まっています。
これからはテレビなどで目にする機会もますます増えていく事でしょう。

日々の生活や遊びや学びの中で、子どもが自分なりに考え、試し、 ときには失敗しながらも前に進んでいく経験をどれだけ積み重ねられるかが、 非認知能力を育てるうえでの鍵になります。

Bee Creativeは、そうした「見えない力」を育てるためのきっかけづくりとして、 ワクワクしながら学べるデジタル・クリエイティブ教材をお届けしていきます。

次回は、「非認知能力はどう育つのか?」という視点から、 ご家庭や習い事でできる関わり方について、より具体的にご紹介します。
よければ引き続き読んでみてくださいね!

【関連リンク】

「非認知能力」ってなに? 子どもの未来を支える“数値では測れない力”のはなし

この記事を書いた人

松永昴
松永昴Bee Creative事業責任者
ICT教育および教育コンテンツの企画制作に長年携わり、ITを使いこなす力の育成を軸に教材開発を行う。
現役のJAPAN MENSA会員でもあり、学生時代は米国カリフォルニア州の大学へ留学し映画学を専攻。第1回妙善寺映画祭審査員特別賞受賞。教育だけでなく本格的な映像制作・表現活動に取り組むクリエイターの側面も合わせ持つ。
現在は教育分野での知見とクリエイティブ領域での経験を掛け合わせ、創造力の育成をテーマにした学びに資する教材開発と普及に力を注いでいる。

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